マイクロンフィーダーの特長

粉体の超微量の連続供給を可能にしたシステム

マイクロンフィーダーの原理図

① 高い供給精度

対応できる材料であれば通常±5~10%、材料によっては1%未満も可能です。(ECタイプは除く)

こちらは実測値と理論値を比較したグラフになります。横軸が時間、縦軸が供給量で青い線が毎分1gを供給した実測値、赤い線が理論値です。
145分間のデータになりますが、ご覧のように実測値が理論値にほぼ重なります。これはメカだけで何の制御も掛けていません。

供給原理

② 広い供給範囲

装置の部品を交換することにより100倍以上の供給範囲を実現し、スケールアップした大型機により、大量領域の供給を可能としました。(ECタイプは除く)

供給材料にもよりますが、マイクロンフィーダーは同じ装置で部品を交換するだけで、毎分0.05g、すなわち毎時3gの超微量供給から毎分100g、すなわち毎時6kgまで幅広い範囲の供給を可能にしました。

具体例としては、同じTF-70-CTで塩を30g/hから3kg/hまで供給することが出来ます。また、このマイクロンフィーダーをスケールアップしたTF-134-CT、TF-200-CT、TF-300-CTでは、同じような幅広い範囲と精度を維持したまま、さらなる大量領域での供給が可能となります。

広い供給範囲

③ タイプ別の構成

お客様の目的のニーズに応じた各シリーズをラインアップしました。
マイクロンフィーダーには4つの機種があります。

●お客様の「様々なニーズに対応可能なカスタマイズタイプ」のCT
●「最小限の構成により大幅にコストダウン」したエコノミータイプのEC
●最小秤量1mgの「電子天秤とフィーダーが一体化した高性能タイプ」のAD
●「CTモデルの電子天秤仕様」のCT(AD)

マイクロンフィーダー商品ラインナップ
高精度ロスインフィーダーシステム
その中でも高精度ロスインフィーダーシステム(ADタイプ)についてご紹介します。
特徴は超微量供給・高精度計量、小型軽量、多機能な専用コントローラーなどが上げられます。
またオプションとして0.1mg計量が可能な秤を用いた測定や、秤表示記録用のパソコンやプリンターなどで、データの保存が可能です。

システムのポイントは計量モードにあり、計量モードには、標準計量モードとロスイン計量モードがあります。
計量モードの一つであるロスインウエイト方式(減量計量方式)での制御供給システムを弊社ではロスイン計量モードシステムとしております。

フィーダーを秤に載せて、充填した材料ごと重さを測定し、重さの変化に応じて供給量(フィーダー運転速度)を自動的に調整する「重量フィードバック方式の供給システム」です。

このロスイン計量モードシステムを採用しているのはAD、CT(AD)シリーズです。さらにAD、CT(AD)シリーズでは標準計量モードにも対応しております。
詳細は下記「ロスインフィーダーシステムの紹介」(PDF)をダウンロードしてご覧下さい。
専用コントローラー「運転モード」
専用コントローラーの運転モードとしては次の5つがあります。

●指定された一定の速度で運転を続ける手動モード
●指定した目標流量になるように速度を自動調整しながら運転する流量モード
●高速・中速・低速の3つの速度で一定時間テスト運転するテストモード
●指定した量になるまで速度を変化させながら運転する量モード
●指定した目標流量になるように速度を自動調整しながら運転し、指定した量で停止する流量+量モード
運転モードの種類
外部信号
専用コントローラーは外部の装置と繋げることが出来ます。そのため、離れた場所からフィーダーの操作、供給材料の重量管理が可能となります。入出力の通信はアナログ電流値による通信です。
信号は運転、停止、速度調整などの他に選択入出信号、モニターがあります。

●選択入出力は選択項目より各5種類を選択可能。
●モニターはハードウェアの制約により選択できる数は選択項目より1つ。
外部信号
イーサネット仕様の外部入出力信号について
専用コントローラーの新シリーズとして外部出力をアナログ信号通信からイーサネットによるデータ通信化したものが加わりました。

イーサネット通信とは、コンピューターネットワーク規格の一つで現在世界で最も広く普及しているものです。弊社のコントローラーはLANケーブルを使用することでデジタル数値の正確な送受信が可能となり外部通信が強化されました。

イーサネット仕様では選択入出力の信号が変わります。

●「選択入力」信号13種類すべて入力可能。
●「選択出力」信号60種類をすべて出力可能。
●モニターの種類が14種類すべて出力可能。

従来は外部信号の数だけ接続配線が必要でしたが、LANケーブル1本(直接続の場合)で済むようになりました。
イーサネット仕様のシステム図

計測データ紹介

カーボン供給データ

ADタイプの流量モードでカーボンを、1分あたりの供給量を極微量の0.05gとして採取したデータです。縦軸が1分間の供給量、横軸が時間です。精度は±10%です。

小麦粉供給データ

CTモデルを電子天秤仕様にしたCT(AD)で、コントローラーを用いてフィードバック制御した流量モードで小麦粉を、1分あたりの供給量2gとして採取したデータになります。
グラフの縦軸が1分あたりの供給量、横軸が時間となっています。流量モードは手動に比べ1時間たっても精度を保っています。

上新粉供給データ

CTモデルで、量モードで上新粉を、目標量5gとして採取したデータになります。
縦軸が排出された量、横軸は試行回数です。精度は目標量に対して±2%以内です。また、1回の時間は30秒です。

④ 特殊仕様に対応

ガスパージ仕様、耐圧仕様、防爆仕様、オール樹脂製など様々な特殊仕様にも対応いたします。
また部品をペレット専用にすることで、樹脂ペレットを変形あるいは傷をつけることなくスムーズに供給することができます。

マイクロンフィーダー商品ラインナップ

特殊仕様のマイクロンフィーダー 計測データ紹介

樹脂ペレット供給データ

CTタイプのフィーダーでペレット専用の部品を使用し、樹脂ペレットを速度一定(手動)で、1分あたりの供給量3gとして採取したデータです。
縦軸が1分あたりの供給量、横軸が時間です。材料を傷つけることなく、精度は対目標量で±6.5%の高精度で供給することが出来ます。

球2mm供給データ

ADタイプのフィーダーで球専用の部品を使用し、2mmの球状の材料を速度制御で1分間あたりの供給量を3.3gとして採取したデータです。 縦軸が1分あたりの供給量、横軸が時間です。こちらも、材料にダメージを与えることなく、対目標量で±4.6%の高精度で供給することが出来ます。

⑤分解洗浄性

マイクロンフィーダーは容易に分解・組み立てができ、材料に接する部品などは水や洗剤による洗浄が可能であり、お客様の必要性に合わせた衛生・環境管理で使用できます。

分解洗浄可能

⑥技術開発

粉体技術で培ってきた豊富な経験と実績から常に研究開発を進めており、いつでも最新の機能、性能を提供させていただいております。
例えば、先程の樹脂ペレットや球状の材料を、フィーダーの部品を交換するだけでダメージを与えることなく供給することが出来ます。

技術研究開発